※カスタム以外を選択した瞬間、すべての項目がその車種の工場出荷状態(完全純正)にフルリセットされます。
ビッグキャブやビッグリードバルブを装着すると、クランクケース内の容積が広がり「一次圧縮」が低下します。これにより、アクセル全閉時(スロットルオフ時)にキャブレターから燃料とオイルを吸い上げる負圧が極端に弱まります。結果、高回転からのエンブレ時にエンジン内部が極薄(リーン)状態となり、冷却不足と潤滑不足による焼き付きや抱きつき(熱膨張)を引き起こします。
これを防ぐため、クランクケース内の不要な隙間を金属パテ等で埋める「一次圧縮の回復」や、スロージェットの番手を濃くして弱い負圧でも強制的に燃料を吸い出させるセッティングが、エンジン保護の観点から極めて重要になります。
50cc純正のオイルポンプ(分離給油)は、排気量や回転数が大幅に向上したボアアップ・フルチューン車両の熱量と摩擦を潤滑するほどの吐出容量を持っていません。特に10,000rpm以上回るレーシングチャンバーを装着した場合、オイル不足による熱膨張リスクが急増します。
ハイエンドチューニングにおいて、オイルポンプを取り外してガソリンに直接オイルを混ぜる「混合給油」への変更、または分離給油のままガソリンタンクにも少量のオイルを足す「ちょい足し」は、エンジンを延命させるための必須テクニックです。
どんなに巨大なキャブレターやシリンダーを組んでも、土台となる「純正クランクケース」のリードバルブ開口面積や掃気ポートの形状には物理的な限界が存在します。流路がボトルネックとなり、実機では20〜25PS付近で吸気効率の壁にぶつかります。
欧州のドラッグレースで35PS以上の出力を叩き出す車両は、流路の壁を突破するために設計された「社外ハイエンドケース(Malossi C-OneやStage6 R/T等)」を使用しています。本シミュレーターはこのケースによる流体限界の違いも計算に組み込んでいます。